「上目遣い」という語句を辞書で調べると、上目に見ること。古くは顔を上げないで目だけで上の方をみるこなのだそうです。意味合いとしては相手の顔色をうかがうことなのだそうですが・・。その由来というかは中国の故事にあるらしいですのですが現代の上目づかいとちょっとニュアンスがちがうというのが意外。
白眼(はくがん)という故事があるようですが、これは「軽蔑した冷たい目つき」という意味みたいです。日本では、この言葉から白眼視(はくがんし)→「白い目で人を見る」という慣用句も生まれたそうですが・・・そもそもこの上目づかいとういう言葉はこの白眼(はくがん)という故事からきているらしいのです。
由来となったのは、阮籍(げんせき)という「竹林の七賢人」の一人の態度から生まれた言葉みたいです。彼は、三国時代末期、竹林(ちくりん)でお酒を飲みながら哲学談議にふけっていた当時の7人いた賢人の一人。
堅苦しいことが嫌いだった彼は、礼儀を重んじる相手と向き合うと上目づかいになって白目を見せたそうです。そして逆にざっくばらんに気の合う相手とは真正面から向き合って瞳(黒目)の多くを見せたそうです。
でも文章から読み解くと、この白目を見せる上目づかいって、今の上目遣いとはちがった見下ろす感じだったんでしょうね♪
相手を好きか嫌いかであからさまに態度を変えていた彼のしぐさを皮肉って!?白眼=軽蔑した冷たい目つきという意味に用いられるようになったようですが・・・
具体的には顔全体をあまり上にむけないで、目だけを上の方へ向けて視線だけをあげて相手の目をみることをさいしていてまぁそのしぐさが可愛らしい的な意味とか、相手のご機嫌を窺うみたいな意味でつかわれることが多いですね。
このほかにも、心理学者のジョーンズさんとピットマンさんによると、この上目遣いとうしぐさは、方略的自己呈示といって、本来の自分を他人に見せることなく自分にとって良い印象を見せる為に意図的に、計画にふるまうという心理がはたらいているとも言っているようです。
つまり、「上目づかい」という行為は、相手に何らかの印象ををもってもらいたいという気持ちを強く表しているみたいです。
今風なうわめづかいはこんな感じ・・・↓
ということで「相手に何らかの印象をもってもらいたい!」という気持ちの表れというのが今風な上目づかいということが分かりましたが、実はこの方略的自己呈示って5つぐらいのパターンがあるらしいです。
追従認知
相手が気に入るように言葉遣いや動作をすることで、相手が自分よりも立場が上であると思ってもらうとう期待。
威嚇
甘えたいと負いう気持ちの裏で、相手に怒りや妬みを持つこともありる心理状況が該当します。まぁ簡単に言うとツンデレな状態。相手に怒りや妬みを持つってことは非常に紙一重ですが、上目遣いをしている場合は、ツンデレな気持ちってことがその表情からわかるというのが今風なんでしょうね。
自己PR
これはまさに自分を認めてもらいたい!というど真ん中の認知欲求。自分のことをうまく言葉にできなくても、上目づかいをすることで、それに気づいて!ってアピールをする猫ちゃんみたいなしぐさって感じでしょうか・・
模範
相手をみらない、お手本として見習いという眼差し。上目づかいで相手の目線を見ると出、その目線からは学びたい!尊敬してます!って思いを伝える時にも使うようです。
哀願
マンガやアニメなんかではこのケースの上目遣いがほとんどだと思いますが、相手に助けてもらいたい!気遣ってほしい!、何かをお願いしたい!という気持ちの表れとして上目づかいするケースですね。どちらかというと甘えちゃうぞ!っていう感情表現といわば分かりやすいでしょう。
ということで、上目づかいというテンプレートな萌え感情表現を意味しそうな言葉も、本来の由来はまったく逆の意味だったり、また、上目づかいという動作が示す心理的な意味合いも5つぐらいあるというのが面白いと思いました。
しろ: 見下す白眼(はくがん)な上目づかいっていうのが由来で、白い目で見るという意味。現代の上目づかいは、方略的自己呈示という認知欲求を示すしぐさというこらしい。うーん、言葉は時代とともに意味が変わるのは知ってるけど、国語って難しい・・・。
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