著者:斜守 モル (著)
イラスト:マナカッコワライ (イラスト)
出版社:MFJ文庫
もともとは未開の森の深くに暮していて、狼を神と崇める部族たちにより人肉を供物として捧げられることで奇跡的なバランスを保っていたけれど、当然そのバランスが崩れると・・こうなるという物語の世界になっています。
そこには自然破壊する人類と人肉を手に入れる手段を失った人狼が、都市の中で普通の人間の中に紛れ人を喰らうという社会を作り上げるという皮肉さをオマージュしているような設定となっています。
まぁこの辺を見ると「東京喰種(グール)」に似ている部分が多々あるような感じもします。
本作の冒頭では、隠れた名店的なバーに人狼の店主がいるところを囮討伐官が取り押さえるとこなんかはまさに似ていますね。
物語は討伐官である一人の少年と少女の出会いから始まります。
少年は身寄りがなく孤児院で育った連野壮真(れんのそうま)。そして少女は空想世界に生きている「自称天使」。空想と現実の境目が良く分かっていない。(自分は天使だといい羽があるから飛べるとか言っている)。一応彼女も討伐局プロファイリング課の討伐官として試験を掻い潜って討伐局プロファイリング課課長専属秘書して任についています。
彼女は両親を殺した死体にVの字を刻む人狼を探しているですが、ちょっとほんわかした表紙の表所が彼女です。16歳の超天然な少女というキャラ設定がラノベらしい感じで、「東京喰種」の劇画チックリアルさとは一線を化してる感じです。
そして討伐局には天才と呼ばれるプラファイラーやそんなプロファイラーの目を掻い潜って人を喰らい続ける人狼がいる・・・という物語の伏線をたどりつつ、2人の少女と少年の真実のベールがはがされていくという、王道的な展開の作品ではないでしょうか?
篠原樫乃(しのはらかしの):
両親を人狼に殺された16歳の少女。空想の世界に生き、現実と空想の境目がわからない天然少女。自分の事を天使だと言っている。それでも、試験をクリアし、討伐局プロファイリング課課長専属秘書となっている。
連野壮真(れんのそうま):
子供施設で育った少年。篠原樫乃(しのはらかしの)とは討伐官になってから出会い、ちょっと飛び過ぎている彼女の面倒を見ている少年。
討伐官:吉田射京:
20歳でトップの討伐官についた天才人狼X?:プロファイラーの目を掻い潜る人狼側の天才
天使と鴉のプレセピオ -人狼×討伐のメソッドI- (MF文庫J)
発売日:2016/12/23
あらすじ(Amazonより): 真実は、いつも残酷で、そして切ない。“人狼”、彼らは一年間に一人、人間を喰らわなくては、その命を保てない。カナガワIII区の新人討伐官・連野壮真は、人に化けて人を喰らう人狼を討伐するため、自らを天使と名乗る同僚の討伐官・篠崎樫乃と任務に励んでいる。共に両親を人狼の手によって失った二人。だが、二人は初めての囮捜査で偶然にも、樫乃の両親の仇である、遺体にV字の傷跡を残す・侵才の人狼《VOLF》の犯行の痕跡を発見する。しかし、樫乃が人狼の正体を見破ることができる《暴きの目》を発現させてしまったことで、二人の運命は大きく変わってゆくこととなり――!? 第12回MF文庫J新人賞受賞、鮮烈の小説デビュー作。これは――決して暴いてはならない真実の物語。
しろ: ラノベらしいキャラの少女と少年が「東京喰種」の猟奇な世界で繰り広げられる真相展開な物語はちょっと風変わりでミステリー要素もある作品ですが、装丁の表紙とのギャップにサプライズするという点ではいいのではないでしょうか?
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