著者:周藤 蓮 (著)
イラスト: ニリツ (イラスト)
出版社:電撃文庫
賭博しに拾われて育てられた青年が主人公の同作。賭博で生計を立てるという言ってみれば裏の世界に生きる事はどういう事か?そこには人生の哲学につながる3つのルールがあるんですね。
「絶対負けない」「絶対勝たない」そして「祈らない」
この心理って結構深いと思うのですが、最初と2番目は明確に分かり易いルールです。当然賭博しとて負けたら復活できないでしょうし、逆に勝ちすぎで裏の世界に目を付けられるのも生きていけなくなりますよね。で、この物語のキモになるのが3番目のルールに潜んでいる感じ。
孤児で賭博師の養父に育てられた主人公というのはある意味表の世界の人よりも世の中の道理を知り、ある意味冷めた人格の持ち主だともいえるでしょう。幼いころから大人の世界の事情と社会の底辺を見つめてきた少年が青年になり、自分の失敗でなく、他人の失敗から賭博で勝ちすぎてしまうという運命の歯車が動き出すわけです。そして、その運命を少しでも無難な落としどころにしようと賭博場への利益還元のために購入した者というのが奴隷少女。
性の奉仕の為に徹底的に教育された少女は、言葉もほとんど語らず、怯えるばかり。主人公としてはとんだお荷物だと思うとこですが、仕方なく自分の世話をしてもらうメイドとして彼女のことを教育していくんですね。
孤児だった主人公は、養父以外の肉親というものを知らないのですが、青年になった主人公は、養父とおなじように結果として奴隷ですが少女を引き取り育てる事になるわけです。
そして家族というか肉親として心が通い始めるようになったその時、主人公賭博しがルールを破ってまでも少女との絆を守るために彼がる行動がどんなものになるのか見ものですね。
そんな家族愛というか絆とうか大切な人を守るという誰もがプチ勇者になれる的な感動もまじえながらハッピーエンドを望んでしまう作品だと言えると思います。
賭博師は祈らない<賭博師は祈らない> (電撃文庫)
発売日:2017/4/10
あらすじ(Amazonより):十八世紀末、ロンドン。賭場での失敗から、手に余る大金を得てしまった若き賭博師ラザルスが、仕方なく購入させられた商品。――それは、奴隷の少女だった。喉を焼かれ声を失い、感情を失い、どんな扱いを受けようが決して逆らうことなく、主人の性的な欲求を満たすためだけに調教された少女リーラ。そんなリーラを放り出すわけにもいかず、ラザルスは教育を施しながら彼女をメイドとして雇うことに。慣れない触れ合いに戸惑いながらも、二人は次第に想いを通わせていくが……。やがて訪れるのは、二人を引き裂く悲劇。そして男は奴隷の少女を護るため、一世一代のギャンブルに挑む。
しろ: 感動モノ映画なんかにもよくありそうなモチーフですが、悲惨な過去から心を閉ざす少女が無関心青年に心を開いていくエピソードと、無関心でお荷物ぐらいに思っていた主人公が自分の家族のように引き裂かれる少女を守るためにルールブレイクするというお話は多分感動するとこと間違いないー。という作品
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