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森の魔獣に花束を(ラノベ/小説・紹介・感想)

著者:小木君人 (著)
イラスト:そと (イラスト)
出版社:ガガガ文庫

一人ボッチの魔獣の少女が暮す森。そして森の外では人を食らう魔物が住むと言われている禁断の森として人々から恐れられ、誰も足を踏み入れることがない世界。そんな森の中に住んでいる半獣・半人の少女は一人ボッチ。

本当に人を食べるのかどうかは実は微妙なところなのですが、そんな森に一人の少年クレヲが、家の跡継ぎなるための試練としてこの森に足を踏み入れるのですが・・。

仲間の裏切に遭い、禁断の森に一人取り残されるんですね。この辺りは日本昔話風な展開なのですが、そこで現れた人を食らうという魔獣はなっなんと!幼女風な美少女の半獣半人だったんですね。

「人を食らう」と呼ばれている魔獣が彼女だと確信した少年は、彼女に恐れを抱きながらも、ボッチな彼女の興味関心を引きながら、彼女と奇妙な共同生活を送るようになります。これまで人と触れ合ったことがなかった独りぼっちの魔獣の少女の心は生身の人間の少年と一緒に暮らすうちに、感情みたいなものが芽生え始めてくるんですね。

 

 

人食い半獣半人少女と、一人の少年の純愛ファンタジーに心が温まる

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一度人とふれあってしまった彼女は「寂しい」だとか「嬉しい」という感情に芽生えるわけですが、そんな変わりゆく少女を目前で見ている少年。初めに抱いていた恐怖心から純粋な好奇心や芽生えた感情をぶつけてくる少女にだんだんと惹かれていくのは当然の流れ・・(というかある種男性の理想の願望)ともいえるかもしれません。

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現実世界に存在する女性よりも、孤独で、周りからは人を食らうと恐れられている危険で近寄りがたい存在だった少女と、一緒にいることで、急激に距離が近づく物語というのは、どこか微笑ましいですし、心温まるものがあります。

森の魔獣に花束を:

森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)
発売日:2012/4/23

あらすじ(Amazonより):


ひとりぼっちの魔獣の少女に恋をした。


とある村の近くに、人を喰う魔物が棲むという禁断の森があった。家の跡継ぎになるための試練として稀少な青い薔薇を探す旅に出た少年クレヲは、同行者の裏切りに遭い、その森にひとり取り残される。そこでクレヲが出会ったのは半獣半人の魔獣の少女。なんとか魔獣の少女の気を惹いて、食べられることを免れたクレヲだったが、その代わりに彼女のペットにされてしまった……。そして、始まる奇妙な共同生活。純真な心を持つクレヲと一緒に暮らすうち、ずっとひとりぼっちだった魔獣の少女の心にやがて変化が現れる。だが、二人の日々はそう長くは続かなかった……。  人間と魔獣の恋を描いた心温まる異色のファンタジー小説。 ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

 

しろ: 人でないモノノケや半獣・半人がヒロインというようなボーイミーツガール的純愛物語って未知との遭遇という演出も相まってか、一度崩壊する心の壁ともに、心を通い合わせていくプロセスがどこか微笑ましく、心温まる何かがあるのは、謎と恐怖のベールに包まれた真実に触れ合う特別感みたいなものが後押ししているように思える・・そんな作品です。

posted by しろ 投票 3 0


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