著者: 芝村 裕吏 (著)
イラスト:
出版社:ハヤカワ文庫
表紙の絵は異世界ファンタジーっぽく見える作品ですが、バリバリの近未来SF作品というのが面白いです。多くの人がプレイするMMOPG、クラフト・ワールド。そこに謎のハッカー集団が侵入してくることとなるのですが、実はこのゲームのアルゴリズムってAIが進化したような人口生命体みたいなものだった!という設定です。
多くの人が遊んでいるマッシブオンラインなゲームなのですが、そのサイバー空間は独自進化していく人工知能というか人口生命体みたいなものになってしまっていて・・・サーバ異空間と現実世界とが絡み合っていくようになっていくんですね。
今の社会もコンピュータネットワークにつながった機材やらIoTとか言われるようなセンサリングネットワークが実用化されようとしていたりするようですが、当然軍事施設や兵器なんかはもっと高度に現在でもネットワーク化されていたりするわけですが、サイエンスフィクションというだけあって、こんな近未来の技術背景をベースにゲームの世界と現実の社会がクロスするみたいな一種のマトリックスのような感じってありきたりですが、ファンタジーゲームな世界をモチーフにしたこの作品ってちょっと変わりダネ作品っていえるかもしれません。
セルフ・クラフト・ワールド 1 (ハヤカワ文庫JA)
発売日:2015/11/25
あらすじ(Amazonより):大規模多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)である〈セルフ・クラフト〉のゲーム世界では、人工生命“G-LIFE”が奇跡の独自進化を遂げていた。ゲーム内のド田舎村で旅人を迎える役目のエリスは、九州女性(?)のノンプレイヤーキャラクター(NPC)。砂漠で彼女の命を救ったプレイヤーのGENZ(ゲンツ)は、G-LIFEの不可思議な生態を研究しているという。そこへ謎のハッカー集団の侵入事件が――世界最高の熊本弁ファンタジーSF、ここに開幕!
セルフ・クラフト・ワールド 2 (ハヤカワ文庫JA)
発売日:2016/4/22
あらすじ(Amazonより):人工生命“G‐LIFE”が内部で独自進化するMMORPG“セルフ・クラフト”は、いまや日本の技術革新の要となった。その利権を巡る不毛な政治抗争に倦む首相の黒野無明は、ゲーム三昧の旧知の友の行動に、直感で将来的危機を察知する。“セルフ・クラフト”内では旅する半妖のマイドンと身元不明の超戦士カトーが、謎の自称神官・えり子に同行を迫られ…奇跡のゲーム世界になぜか民主主義の精神が屹立する第2弾。
セルフ・クラフト・ワールド 3 (ハヤカワ文庫JA)
発売日:2016/9/21
あらすじ(Amazonより):全面核戦争を生き延びた情報技術者の田中翼と仲間は、ネット環境を求め荒廃した地上を探索する。“セルフ・クラフト”内では、世界の一画が虚無と化す謎の消滅現象が多発していた。民主主義教を奉じる竜の高僧ミンドンは、始祖マインドの墓の発掘調査から寺院に帰還してすぐ、消滅現象の対策のため総本山に呼び出される。すると寺に住む寺人のエミカがなぜか同行を申し出て…奇跡のゲームが現実を変革する3部作完結篇。
しろ: やっぱりSF作品ってサイエンスなベースラインをもとに冒険活劇風な期待をして今うと思うのですが、ファンタジーなMMORGゲームの世界というモチーフが採用されちえるところがちょっと興味を引くユニークなところかもしれません。
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