著者:斜線堂 有紀
イラスト:
出版社:メディアワークス文庫
思わず手に取ってしまうタイトルの作品ですが、狂った恋の行く末の猟奇的な殺人ミステリーを想像してしまうのですが・・物理的に殺してしまうのではないんですね。ただその人のことを思うがゆえに、素人の少女が天才小説家の代わりにゴーストライターとして原稿を執筆するに至るプロセスと何気にその原稿が実はイケていた・・・みたいなことが現実に起きたとしたら・・才能を失った相手はどのようになっていくのか・・・
少女と天才作家がとある出来事から共生するようになるのですが、その彼がスランプに陥り作品が書けなくなってしまうのですね。
言ってみれば彼は作家の才能を無くしてしまうのですが・・そんな彼を支えようと彼女は彼のゴーストライターとして支えることを決意するのですが、本当に敬愛するからこそ、その人の作品のことを書けてしまう・・それもより味を出しながら・・というのが皮肉です。
天才の名をほしいままにこれまで来た作家は打ちのめされるわけですね。
殺そうとして殺す殺人ミステリーではなく、切ない思いが交差する大人風な文芸作品として2人の人物の思いが反比例して行く様に切なさを感じられずにはいられない・・・そんな作品だと思います。
読み進めるうちに、切なさを感じながらある主のカタルシスを得ることができる作品ともいえるかもしれません。
私が大好きな小説家を殺すまで (メディアワークス文庫)
発売日:2018/10/25
あらすじ(Amazonより):突如失踪した人気小説家・遙川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった一人の少女の存在があった。遙川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遙川が小説を書けなくなったことで二人の関係は一変する。梓は遙川を救うため彼のゴーストライターになることを決意するが…。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女―なぜ彼女は最愛の人を殺さなければならなかったのか?
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