著者:森橋 ビンゴ
イラスト:Nardack
出版社:ファミ通文庫
この物語は3巻で構成されていますが、巻数が進むにつれて登場人物の心境の変化、人間関係(恋心)の行方や登場人物たちの成長が丁度いい1年区切りで高校1年生から3年間を表すタイトルになっている所がが分かり易くて良いですね。 物語は主人公の少年である一人称よる形メイン。ヒロインの東雲侑子の思いなどは彼女が描いた短編小説なんかで伺い知るという感じですが10代の初心で甘酸っぱい雰囲気と胸のトキメキ(男性目線でのキュンキュンさ)を感じられると思います。
主人公は、初恋の相手が兄の彼女だったという痛い思いのある三並英太。幼少期の思いが実らなかった苦い経験から自己嫌悪体質に陥っている感じ。
高校に進学後、何かしらのクラブ活動に所属しなければならないのですが、体育会系のノリも面倒な彼は、当たり障りのない図書委員になります。
そこで出会うのが東雲侑子(しののめゆうこ)。彼女は寡黙で感情を表に出さないタイプの美少女。いつも短編小説ばかり読んでいる謎めいた雰囲気を纏った少女。
図書委員で受付をしながらなにげなく眺めていた文芸誌に彼女が「西園幽子」ペンネームで小説家だということを知るのです。
図書委員として一緒になることが多かったためか気まぐれでサインをねだった所、交換条件として取材協力を約束されることで、2人は急接近してきます。
彼女は実は長編小説に挑戦している最中であり、小説を完成させるために2人は嘘の恋人同士として取材活動をしていきます。
そうした中主人公英太は東雲侑子に惹かれていくことになるのでが・・・という物語が1巻
取材が終わり2人の距離が離れる2巻、図書委員としても英太と侑子の受付担当日が別に日なってしまいます。
そこ絵新たな恋敵が登場という感じです。読モもやっているようなクラスで人気モノの少女絵夢。演劇部に所属していた彼女は英太経由で東雲さんへ台本をお願いするのですが、長編作品にチャレンジしていた東雲さんは2年生になってスランプ状態。英太くんもその事で彼女への対応が消極的になっていたという2年生のはじめです。
そんなところへ天真爛漫なクラスでも人気の美少女絵夢が英太に告白。そんな2人をみて自分の気持ちに気づいた東雲さんは自分の思いを小説に綴るんですね。
その小説を読んで英太は東雲さんの気持ちを察して2人は無事結ばれる・・・
そんな感じの10代の甘酸っぱい感じのするピュアラブストーリーです。
3巻は3年生になってこれから登場人物と彼らの選んだ進路や恋の行方について書かれています。
高校1年から3年間、 東雲侑子は短編小説をあいしている→ 東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる→ 東雲侑子は全ての小説をあいしつづけると東雲さんの作家としいての成長と周りを取り巻く登場人物たちの在り様が甘酸っぱい郷愁漂う学園青春純愛ストーリーとして満足できる良作だと思いました。
東雲侑子は短編小説をあいしている 電子DX版 (ファミ通文庫)
発売日:2013/12/13
あらすじ(Amazonより):"同じ図書委員の女の子は、小説家でした。特にこれといった趣味もなく、無気力・無関心な高校生活を送っていた、主人公・三並英太。
彼に転機が訪れるのは、所属している図書委員での仕事をこなしている時のこと。手にした文芸誌。作家として掲載されていた写真の女の子。その子は、同じ図書委員の――東雲侑子だった。
作家、西園幽子として東雲が英太に依頼したのは、
…彼氏になること!?"
東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる 電子DX版 (ファミ通文庫)2013/12/13
あらすじ(Amazonより):2年に進級した英太と東雲。東雲との関係が公になったことで心なしか賑やかな学校生活になってきた英太とは対照的に、東雲は初めてのスランプに陥っていた。そんな折、演劇部の女子喜多川が、「学園祭の舞台の脚本を東雲さんにお願いしたい」と英太に頼み込んでくる。その頼みを気分転換も兼ねて引き受けることにする東雲だが、思うように筆の進まない東雲と、奔放な喜多川に振り回される英太は少しずつすれ違っていき…。もどかしく苦い、第2章。
東雲侑子は全ての小説をあいしつづける 電子DX版 (ファミ通文庫)2013/12/13
あらすじ(Amazonより):3年生になり、卒業後の進路の事を考えなくてはならない英太。東雲はやはり進学するという。特別優れているわけでも劣っているわけでもない自分も、ひとまずそう考えるべきなのだろうと思いながら、自分のやりたい事が分からずに迷う。小説家という夢を既に実現してしまっている東雲と自分を比べて、漠然とした焦燥に駆られる英太だが、東雲と過ごしてきた時間が、彼の望む未来をほのかに照らし始める…。もどかしく苦いラブストーリー、決心の先へ。
ソラマメ: 高校3年間を通した青春恋愛群像という作品はそれなりにありますが、ヒロイン少女が主人公の少年との恋や信頼関係構築を通して作家とし成長していく様と、取り巻き登場人物たちの恋の行方や進路という3年間の期待と甘酸っぱさと、大人へと旅立つ青春のひと時が読み終わった後余韻として残るような作品です。
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