著者:渡来 ななみ
イラスト:
出版社:メディアワークス文庫
時間のながれが逆の時限を生きるタウ少年と普通の人間である少女海良の七日間のお話。主人公の少女は天文学者の父親と共に南国の孤島に暮らしているのですが、父が仕事で家を留守にする7日間、毎日夜空を眺める少女は星空から降り立った不思議な少年タフくんに出会いうのです。タウくんは少女と違い時間が逆に進む世界を生きる存在。少女にとっての今日はタウ君にとっての昨日という感じ♪。時間を経るごとに少女はタウ君に思いをはせるようになるのですが、逆にタウ君は少女と接する時間がどんどんはじめの方になって行く。。少女がタウ君と親密に思うようになるほど。。。彼の心が離れてゆく感じの切ない少女の初恋な心の移ろいに読者のアナタは共感してしまうのだと思います。面白いのが、タウ君と少女が始めたあった初日、実はタウ君が一番少女に思いを寄せていた時だったのです。「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」と初日にいうのですが、時間がたつにつれて、少女はその意味を理解し、心を通わせようとするのですが。。。うーん、これは言ってみれば、自分の両親なんかが、アルツハイマー病になったりして、だんだんと幼児退行化して行く切なさというか、そいういう高度な人生経験を踏まえつつその切なさに共感してしまって雑多な日々をしっかり生きよう♪みないなモチベーションを育むような大人な作品仕立てになっている深ーい作品なのですね。舞台が南国の島というのも、ポリネシアンなエリアに旅行した人なら分かると思いますが、タウくんという名前からも連想できちゃうんですが、南の島の幻想的な香りや、ポリネシアンな神秘的な少年って設定が女心をくすぐる感じで計算しつくされている感じがしたのでしたー( ;^ω^)。
天体少年。―さよならの軌道、さかさまの七夜 (メディアワークス文庫)
発売日:2012/9/25
あらすじ(Amazonより):"天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出会ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出会い続ける。約束された最初の出会いの、避けられない最後のお別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。"
しろ: 忙しい毎日を送って(アナタ)。。この作品を読んで、年若い少女になり切ってポリネシアンな南国で甘く切ないアバンチュールな疑似体験をしてみるのもいいかも♡
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