著者:梨沙 (著)
イラスト: おかざきおか (イラスト)
出版社:集英社オレンジ文庫
とある片田舎の歴史のある村とか町とかって…東京に住んでいて自分たちが知らないような伝承とか不思議な都市伝説みたいなものがありそうな雰囲気を感じるのは多分感受性が豊かな証拠だと思います。キャンプとかおばあちゃん家にいったりして、夜山間のきれいな夜空とか、虫がなく声なんかを聴いていると、絶対妖怪とかいるでしょっ!って思えてくる日本的なにおいを感じることができるのと一緒だと思います。ある意味経済的合理性から取りに越された、見方を変えれば、昔からの変わらぬ営みがありそうな片田舎。そこに残る架空の伝承をテーマにしたお話しですね。でっそれも、”神隠し”という子供が泣いてだまってしまいそうなテーマ。その村で行われる祭事の時に外に出た子供が神隠しに会うということなのですが、物語は村で暮らす高校生の仲間との平平凡凡とした日常が描かれつつ、祭事の説明なんかもありつつ進学したばかりの妹が神隠しにあう!というところから展開しています。片田舎の伝承×神隠し、その名も姫神!とくればどいうオチなのか気になりますよね。
発売日:2016/6/23
あらすじ(Amazonより):荒霊村に棲む祟り神・赤姫。祭事の夜、禁を破って外出した子供は彼女に“引かれ”、生きては帰れない―。村の高校生・モトキは、転入生の法介、村外へ進学した幼なじみの将親、薫、建太とともに、夏休みを過ごしていた。だが大祭の夜、法介の妹が“引かれ”てしまう。彼女を助けようと、五人は奔走する。そして、実は赤姫に“引かれ”た唯一の生き残りであるモトキは…?
くろ: 古い佇まいが残こる田舎町。個人的には伝奇な雰囲気って鎌倉の銭新井弁天なんかがある街道なんかにそういうパワースポットな雰囲気を感じてしまうのですが、仲良し高校生と、その妹が神隠しにあっていまう・・そして主人公の男子高校生と神隠しをするといわれている姫神との関係って何?みたいな夏の風物詩として読むにはいい作品だと思いました。
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