著者:十文字青 (著)
イラスト:細居美恵子 (イラスト)
出版社:オーバーラップ文庫
マンガ日本昔話というアニメ画昔やっていましたが、子供ながらに凄い恐いイメージがあるんですよねぇ。
怨霊の話。疫病の話、人柱の話・・呪いの話・・そんな話が多かったように思います。
この作品は、日本昔話のような神秘的な恐さはないのですが、「生きとし生けるもの」の命が価値が低かったであろう中世時代ってこうだったんだろうなぁ・・というクロノロジカルな「生」に対する”リアル”さ(死ぬだとか、暴力で叩きのめされるだとか、生きているものの心の温かみだとか)、善と悪の陰陽みたいなもので構成される過酷なファンタジー世界を感じることができる作品だと思います。
現代は、呼吸をするように食事にありつけ、お風呂にも入れて、それが普通ですが、科学文明発達する前って生きることには、残酷な種者択一というのがあったんですね。
この作家さんの作品はそういう世界史でいう中世封建暗黒時代の世界感が本当に色濃く出ていると思います。見ていると、悲しいとか、可愛そうだか、なんとな成らないの?だとか思っていますのですすが、そんな暗黒な世界の中で強く生き抜くために、助けるために奮闘する登場人物たちはまぶしくてたまらないというか応援したくなっていまうもの。
故郷と同胞を追われた少年カルル、そしてちょっと謎な性質とうか特性を持つ少女エルシー2人が出会い、暗黒時代な舞台を「生きる意味」を体験し成長しいていく旅をするという物語です。
少年カルル
寡黙で、力があり戦士としても相当強い少年。自分の感情を表現することがへたくそでちょっと口下手な所もある感じ。
少女エルシー
まぁ名前からしてですが、天真爛漫で、ちょっとおっちょこちょいな感じ。道場で眠りこけてしまったり、野宿をして眠りこけてしまって気が付いたら荷物がなくなってしまっていたり。
でも少女の一人旅でそんなんでなんで無事でいられるの?と思ってしまうのですが・・実は彼女には運ではなくて、ちょっとした能力というかそういうのがあるみたいです。
少年カルルが歩いていると、道端にあおむけになって寝ている少女を見つけます。ほおっておこうかとチラ見すると、いきなり少女は目を覚まし、彼に攻撃を仕掛けてくるのですが、エネルギー切れを起こしてまたスヤスヤ眠ってしまう・・という出会い。
放置できず仕方なく、少女を抱えたまま、とある村に着くカルル、そ村でとある獣人夫婦にやっかいになるのですが・・流行の病に苦しむ娘さんがいて・・気さくな両親がいて・・
という風に物語が展開していきます。
故郷と同胞を馬われたカルル少年、ちょっとワケあり風な少女エルシー。帝国の片田舎で獣人家族の悲しい現実や彼らの子供たちに流行る病。いろいろな経験を2人でしていくも騒乱渦巻く帝国内でのいろいろな思惑に翻弄されながらシビアなイベントに対峙してく・・そんな感じの物語で、ちょっと重たいですが、読みごたえはあると思います。
魔法使いと僕1 (オーバーラップ文庫)
発売日:2016/8/24
あらすじ(Amazonより): これは“生きる"ことの意味を探す旅――。 少年は故郷と同胞を奪われ一人だった。少女は旅の荷物さえ失い行き倒れていた。 カルルとエルシー。貪るように拡大を続ける「帝國」の辺土で二人は出会う――。 人と亜人。名も無き小村で身を寄せあい暮らすひとびと。命は散り、花は咲く。 コルタポ。辺土の商都。そこではひとがひとを売りさばき、ひとがひとを所有する。 逆らいがたきその現実。引き離される二人。果たしてそれは運命なのか。巻き起こる騒乱。 糸を引く者。引かれる者。あらがう者。うつむく者。前を向く者。 「ひとを救うのって、簡単じゃないよ。きっと」「死ぬなんて、だめです! 」 少年と少女が“生きる"意味を求めて旅する珠玉のファンタジー、ここに開幕!
しろ: なんかこう・・郷愁漂うようなちょっとダークで、でも希望がでてくるようなお話しって、実は子供が読んでも情操教育としてはいいのかもしれないと思ったりもしました。「母を訪ねて三千里」だとか、ちょっとリアルすぎる人間社会の辛い部分というかが凄くクロスするような気がしたからですが・・。
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