著者:大澤 めぐみ (著)
イラスト:U35 (イラスト)
出版社:角川スニーカー文庫
「おにぎりスタッバー」ってひらがなとカタカナの組み合わせで、食べ物のおにぎりだったりだとか、スターバックスコーヒーにもにているようなタイトルから???って思わせる作品なのですが、表紙の絵だとかタイトルから普通に、学園、青春、ラブコメもしくはラブストリー?みたいな第一印象を誰もが持つのではないでしょうか?
八王子にトリックアートな美術館がありますが、この作品ってタイトルにそんなレトリックを使いながら、読み進めるうちに、「えっ」そういう設定だったの!というそんなサプライズを狙っているような感じのする作品だと思います。
おにぎり=鬼斬り、スタッバー=STABBER(ナイフで突き刺す)っていう結構痛くてエグイ内容のお話しだったりします。表紙の絵とタイトルだけ見ると絶対意表を突かれる感じです。
穂高センパイ+アズ
物語の主人公になっているのはアズと呼ばれている中萱梓(なかがや あずさ)。地味で自分ではアースカラーなって言っています。でも彼女は実は人食い鬼のクオォータだったりして、主食が人間。待ちで女子高生だとか少女達をお金で買うようなクズみたいなオヤジや男を駆って食事にしているんですね。
唯一の友達の沢城恵(サワメグ)。魔法少女ということになっていますが、鬼や吸血鬼や、神の眷属や使徒みたいなのがたむろっているらしい世界で一応エージェントとして世界に影響を及ぼすような奴らを始末するような裏の仕事をしている女子高生。
松川+サワメグ
ちなみに松川さんっていのは同じ学園で穂高センパイのことが大好きな吸血鬼の眷属となった女子高生。サワメグに吸血鬼の眷属ということで抹殺されそうになるのですが、アズの母の組織の空いた枠を埋める要員として殺されずに済じゃいます。
ちょっと異常な世界なんですが、そんな人食い鬼だけど見た目はどう見ても普通の女子高生が、親友からそそのかされて、学園一のイケメンの頂点に立つ穂高センパイの事を意識しはじめちゃったります。
こんな普通の高校生が実は人食い鬼の娘
ふと気づくと、彼とは毎朝同じ電車で「朝の通勤時間のちょおっとしたドキドキ」みたいなそんな普通の生活を送る人食い鬼のアズなのですが、客を殺されて困ったヤクザな組織が雇った殺し屋がアズを抹殺すべく家まで押しかけてきくるのですが、待ち中で穂高センパイに助けられ、家に一緒に帰って来た時に、殺し屋と鉢合わせ。
すんなり殺し屋を殺してしまい、証拠が残らないように穂高センパイの前で解体して、頭からボリボリ食べるという流れはシュールすぎる感じです。
そんなアズの事を受け入れて2人は付き合うことになるのですが、なっなんと、その穂高センパイ自体が神の使徒みたいな存在で、エクスカリバーを振りながら世界をリセットしてしまう感じだったりします。
アズの母親や親友サワメグは穂高センパイをやっつけるべく戦うのですが・・・
でもそんな穂高センパイのことが好きなアズは先輩に抱き着きとめよう・・?とするのですが、彼におへそから下をバッサリとエクスカリバー出来られてしまったりして・・そんな血だらけの状況でファーストキスして・・・
という究極な愛?なのかどうかはわかりませんが、なんというかアナーキーな感じとスプラッタ―な感じを普通にさらっと流しながら、何気ない高校生の日常をほのぼのと描く系なノリと融合させようとしているのが不思議な世界感を感じさせてく獲る作品だと思います。
「ひとくいマンイーター」についてはネタバレ巻的なノリだと思うのですが人食い鬼の娘主人公アズとサワメグが出会ったエピソードが血なまぐさく、スプラッタ―なエピソードをまじえつつ、普通に友達になったエピソード風な紡がれる感じでしょうか・・。
おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫)
発売日:2016/12/28
あらすじ(Amazonより): 中萱梓。愛称アズ。見た目も成績も地味なのに「なんか援交だか売春だかをやっているらしい」という噂によって、クラス全員に避けられている。彼女があの時男を連れ込んで、俺が台所にいて、まあいわゆる修羅場になったせいで、魔法少女やらおにぎりやらが出てくる奇怪な事件が始まったんだが、そんなのは些細な話だ。俺が誰かも気にしなくていい。だけどどうか彼女の話を聞いてやってくれ。世界を巻き込む危険で切実な恋愛小説、登場。
ひとくいマンイーター (角川スニーカー文庫)
発売日:2017/3/1
あらすじ(Amazonより):
わたしは魔法少女。敵は連続殺人鬼。《孤高の青春ミステリ開幕!!》
噎せ返るほどの血の臭い。人の残骸。その傍に立った彼女は極めて冷静な表情でわたしを見つめた――。 サワメグとアズの出会いを語る、「おにぎりスタッバー」前日譚。
「あ、目が覚めたんだ」見知らぬ天井。咽せるような血の臭い。「こんな場所で何してたの?」思い出せない。ここはどこだ。なぜわたしは倒れている。「とにかく気を付けなよ、人食いマンに」巷で噂の美少女専門の連続殺人鬼?「攫われて殺されてバラバラにされて食べられちゃうんだよー」そうだ、わたしはそいつを必ず見つけて―「この手で殺さないといけないんだった」サワメグとアズの出会いを語る『おにぎりスタッバー』前日譚。
しろ: ある意味ホラーな作品なのですが、ベースには普通10代の少女が抱く感情なんかがベースにあって、でも彼女たちが人食い鬼だったり吸血気だったり、人間が餌だったりと究極な異種族混合な社会が舞台になっている平凡な日常系に収まっている感じの作品です。まぁ究極な異種族混合社会になったりしたら、人の血や肉の塊もスーパーで売られているお肉と同じような感覚になってしまうのかぁというのも分からなくもですですが・・・
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