著者:柴村仁(著)
イラスト:他(イラスト)
出版社:講談社文庫・メディアワークス文庫
幼馴染や仲の良い友人同士が、誤って不登校の少女が窓から落ちて死んでしまうという衝撃的な事故をめぐる不安定な10代の青春群像的な話です。
自殺した少女は不登校だった少女。彼女はひそかに美術部に顔を出して蝶の絵を描いていたのですが、援助交際疑惑を問いただそうと言い寄って窓側に問い詰めた時、たまたま窓を開けた生徒がいて、その少女は窓から落ちて死んでしまいます。
吉野彼方という名の少女の死は、飛び降り自殺をしたということで片づけられることになるのですが、偶発的な事故で結果的に彼方を殺してしまった男女2人は飛び降りるところを目撃した目撃者として真相を隠しとおそうとする不安定な状態になることを選んでしまうんですね。
プシュケの涙 (メディアワークス文庫)
発売日:2010/2/25
あらすじ(Amazonより): 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか?その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない…。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。
プシュケの涙 (講談社文庫)
発売日:2014/10/15
あらすじ(Amazonより): 夏休み、補習中の教室の外を女子生徒が落下していった。上の四階からの飛び降り自殺として少女・吉野の死が静かに葬り去られようとしていたとき、目撃者の男子・榎戸川と旭に真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の男子・由良彼方だった。登校拒否で授業に出ていなかった吉野は、ひそかに美術部に蝶の絵を描きに来ていたのだ。絵を描きかけのままで死ぬはずがない……やはり二人は彼女の死の真相を知っていた。彼女は自殺ではなかったのだ。少女が迎えた悲劇は自殺より更に残酷で無情だった。平凡な高校生たちの日常が非日常に変わり人間模様が陰影を織りなす瞬間を、デリケートな筆致で綴る青春ミステリ-。
第10回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞し、受賞作の『我が家のお稲荷さま。』(電撃文庫)でデビュー。本作はシリーズとなりアニメ化される。 著書には『プシュケの涙』などの由良シリーズ(『プシュケの涙』はメディアワークス文庫から、今回講談社文庫に移行)。シリーズ新作は『ノクチルカ笑う』(講談社文庫)。著書には『おーい! キソ会長』シリーズ(徳間文庫)、『オコノギくんは人魚ですので』シリーズ(メディアワークス文庫)、講談社BOXの市シリーズ、『夜宵』(のち講談社文庫)『宵鳴』などがある。
真っ当な大人であれば、正直に先生なりへ事故の事実を話して正面から処理しようとするのでしょうが、高校3年生の男女は一方が隠し通そうと圧力をかけることで、後ろめたい心を引きずる選択肢を選んでしまうんですね。
結局、夏休みにわざわざ美術へきて書きかけの絵がそのまま残されているのにまどから飛び降りて死ぬなんておかしいと主人公である同級生から問いかけられて2人は自白することになるのですが・・・この辺りは不安定な10代の心理が抱えるなんでそんな選択をするの・・的な愚かなギスギスした闇心理というかが、読み手にとってある種の精神的なホラーミステリーな印象も与えてくれたりする作品だと思います。
くろ: 不登校生徒、援交、学校内での不慮の事故、隠し事、隠蔽といったミステリー要素をシリアスに盛り立てる要素の詰め合わさっている感じです。
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