著者:八重野 統摩 (著)
イラスト:
出版社:メディアワークス文庫
「いじめ」というとちょっと重たい雰囲気なテーマを思い浮かべてしまいますが、この作品の話自体は、10代の青春モノって感じのノリがあるラノベ問う感じだと思います。小中高と同じクラス、家も歩いて数十秒という幼馴染の女の子の方が、高校2年生からクラスでカースト頂点の美少女から目の敵にされて、いじめられるようになっていたというところから話ははじまります。主人公の男の子は、ちょっとヘタレで、なかなか幼馴染の女の子をなんとかしてやりたいと思うのですが、声もかけられず、下校時間になると、彼女の後を遠くからストーカーのように追っているという感じです。一方のいじめられている幼馴染の女の子はそれなりに気が強く、可愛らしい少女という設定で、”いじめ”という影がモンモンとするような重たいのをあまり感じないところもラノベって感じです。
で、そんな状況下、学校帰りに、たまたま通りかかるマンションから見知らぬ男性から幼馴染の女の子が「おい!そのちびっ子!」と声をかけられるんですね。
いつもめそめそ顔で下校している彼女に同目を付けたのかはわかりませが、大学生の彼はハルという女性と一緒にいて、いじめられているダメ人間のちびっ子を社会復帰させる「ダメ人間社会復帰サークル」を作ってやる!と2人の前で宣言するんですが・・・
10代のいじめに大人が介入することってリアルな世界では実はほぼない感じがするのですが(先生もどうしていいかわからないので、極力さわらないように・・ってイメージが強いですよね)、破天荒なお兄さんが、そんな陰気なイメージのある”いじめ”をいじめられるヤツはダメ人間だからな!ということで、10代のフラジャイルな心をもった若者をかき回せながら、いじめを解決していく的な展開がライトノベル風になされている読み物という感じです。
幼馴染の男女と、大学生のちょっと大人な男女が集うサークルが産駒トリウムのような感じで、「いじめ」をきっかけにちょっと大人の階段を登れる風な人付合いが始まる感じです。
で、いろいろと踊らされながらも、なんとか解決したいじめ。でもそんなときに階段転落事故!、そして犯人捜しするの?っていうミステリーな感じですが、ほのぼのする感じもある探偵サークルもどきな展開はイラストからも伝わってきませんか?
還りの会で言ってやる (メディアワークス文庫)
発売日:2012/6/23
あらすじ(Amazonより):いじめをする奴は、もちろん最悪だ。だが、いじめを見過ごす奴だって最悪だ。おれはそれを理解していながら、幼なじみである柚舞が迫害を受けている事実から目を背け続けてきた。そんな自分に終止符を打とうとした矢先、宇佐部と名乗る男がおれ達の前に現れる。そいつは柚舞のことをダメ人間だと堂々と口にしたあと『ダメ人間社会復帰支援サークル・還りの会』だなんてふざけた集団を作っておれ達を引きずり込み、連中への復讐を企み始めるのだが―。
しろ: いじめをテーマにしつつ、ほのぼのとしたタッチのこういうモチーフは10代の子ならば、思わず学校帰りに書店で手に取ってしまう事間違いなしなパッケージになっていると言えるでしょうね。
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