著者：天乃 聖樹 (著)
イラスト：フカヒレ (イラスト)
出版社：ヒーロー文庫
物心ついた頃から魔石の鉱山で働いている10歳の少女。彼女は自分が膨大な魔量を持つ化け物だということを知らないまま、人間が入ったら即死してしまうような魔石の鉱山で働いています。親方に気に入られるとカビの生えた硬いパンを少しずつ多めにもらえようになるために。そして親方が多めにパンをくれるようになって、そんな生活に幸せを感じるようになっているみたいな切ない女の子。
そんな少女にある日、転機が訪れます。いつもよりも早めに起きた少女は鉱山労働者たちの卑しいホンネを聞いてしまうのです。自分が化け物だと思われている事、そして使い捨ての奴隷という言葉。無知な少女も、大人たちの語っている自分に向ける卑しい感情を理解し、決壊の張られていた鉱山から逃げ出す事を決意します。そして、常人では破れない決壊を破壊し、その世界へと旅立つことになる少女。
外で見る世界は見るものすべてが真新しいものばかり、そんな時に綺麗な少女が男たちに誘拐されるのを目にし、必死に助けることで、神話の時代の魔術と言われる召喚魔法を顕在化させます。召喚された炎からは女王様と呼ばれる少女。そんな少女フェリスと、少女が救った令嬢アシリアとの運命的な出会いから物語が紡がれる感じです。
異世界モノというと男性主人公のモノが多いですが、この作品は、物心ついた時からいた魔石の鉱山で働いてる無知な幼気な鉱山奴隷だった少女が、実は凄い魔術師で、国家の均衡を崩してしまうぐらいの逸材だったという設定になっています。そんな少女フェリスが逃亡先の街で救ったアリシアという2歳年上の少女と運命的な出会いをして、無知な10歳の少女と助けてもらった少女とが同じ学園に通い、ほのぼのライフを送りながら友情をはぐくむてきな展開に思わずほっこりしてしまう所が面白いところかもしれません。
出路が謎の実は最強魔術師だったという少女フェリスはいったい何者なの？という興味心をくすぐられながら、ほのぼのとしたファンタジー学園モノストーリーを読み進めていくとどこか癒されるかもしれません。
十歳の最強魔導師 1 (ヒーロー文庫)
発売日：2017/3/25
あらすじ(Amazonより):
十歳の少女にとんでもない才能があった! 笑顔も魔力も最強の少女たちが送るほのぼの学園ストーリー。
十歳の少女フェリスは、魔石鉱山で働く奴隷。 毎日の仕事は過酷で、身なりも貧しかったが、決して笑顔を絶やさなかった。 あるとき、魔石鉱山が正体不明の魔術師たちに破壊され、フェリスは一人だけ生き残る。 逃げ出した先で出会ったのは、アリシアという名の美しいお嬢様。 怪しい連中に誘拐されそうになっていたアリシアを、フェリスは無我夢中で救出する。 その御礼にアリシアの屋敷に招待されたフェリスは、そこで魔法の才能を見出されて__。 笑顔も魔力も最強の十歳の少女が贈る、ほのぼの魔法学園ストーリー。
十歳の最強魔導師 2 (ヒーロー文庫)
発売日：2017/5/31
あらすじ(Amazonより):
魔法学校に続発する誘拐事件。最強の魔法少女たちは女剣士と共に事件を追う!
十歳の少女フェリスとその仲間たちは、全力で魔法学校ライフを楽しんでいた。 仲間の一人であるアリシアは、魔術の実技の成績が伸び悩んでいた。 そう担任のロッテ先生から言われ、あっさり夢を諦める。 そこでフェリスは、アリシアを誘ってテテルと三人で実技の特訓をすることにする。 一方、グーデンベルト家とラインツリッヒ家の確執から、 アリシアに激しいライバル意識を燃やすジャネット。 フェリスは、アリシアとジャネットが仲良くなればもっと楽しい 学校生活になるだろうと考えてある方法を提案する。 そんな日々に、不穏な影が忍び寄ってくる。 魔法の素質がある人間を狙った誘拐事件が起きたのだった―――。
しろ： 俺TUEEE系異世界モノとはまた違った、あどけない無知で謙虚な少女が普通の学園生活をしようと頑張るところだとか、彼女を守ろうと彼女より弱いのに彼女の事を想う友情だとか、登場人物たちを応援しながら見守る的な読み物として楽しめる作品だと言えるかもしれません。
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