著者:つかいまこと (著)
イラスト:
出版社:ハヤカワ文庫
朝起きて、昼間を過ごし、夕日が涼むよるを迎えるというのが一日のサイクルですが、世界の誕生と消滅のサイクルも多分ですが、存在しているのかもしれません。ビッグバンで広がった宇宙は、冷やされ、ダークマターの存在量によってまた収縮を繰り返すかもしれない・・いや違う・・などなど現代の宇宙物理学でもまだほんの一部も解明されていないという感じですし、もう少しミクロな視点でみると、私たちが住む太陽系の惑星起動が悠久の時を経てだんだんとずれていき、地球がほかの惑星と衝突していまうかもしれませんね。
ただ、この物語は、そういう単発な事象をテーマにしたパニック作品というよりは、絵も知れない何もかも飲み込んでしまうという異次元の存在<涯て>が、まるで沈みゆく夕日のような存在として存在している感じです。そこで暮らす人は終末を予感しながら目の前の時間を精一杯生きようとする人がいたり、希望を見いだせずその謎をさぐろうとする人もいるんでしょうが、そういった悠久のサイクルの中で人の存在意義的なそんな切なさというか、静かな最期というかを味わうことができるような小説かもしれません。
世界の涯ての夏 (ハヤカワ文庫 JA ツ 4-1)
発売日:2015/11/19
あらすじ(Amazonより):地球を浸食しながら巨大化する異次元存在〈涯て〉が出現した近未来。 ある夏の日、疎開先の離島で暮らす少年は、転入生の少女ミウと出会う。 ゆるやかな絶望を前に、ふたりは様々な出来事を通して思い出を増やしていく。 一方、終末世界で自分に価値を見いだせない3Dデザイナーのノイは、 出自不明の3Dモデルを発見する。 その来歴は〈涯て〉と地球の「時間」に深く関係していた―― 第3回ハヤカワSFコンテスト佳作を受賞した、現役ゲームデザイナーによる初小説
くろ: 人はみな必ず将来「死ぬ」ものなのですが、自分の肉体が世界とともに消えてしまうという事って普段考える人ってそうはいませんよね。そういう意味では、こういうSF小説を読んで、その終末を受け入れ艇かければ習い人々の生きざまなんかを見て、リアルに生活している時間についていろいろ見つめなおすきっかけにしてもいいかもしれません。
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