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終わる世界の片隅で、また君に恋をする(ラノベ/小説・紹介・感想)

著者:五十嵐 雄策 (著)
イラスト:ぶーた (イラスト)
出版社:電撃文庫

この物語は、「忘却病」というある日突然、人々の記憶から消えて完全に忘れ去られてしまうという奇病を通して高校生の少年少女が思いをつなげる的なテーマの物語。

人がこの世に存在するという印は何か?そんなことを考えさせられる作品。周りの人から記憶がなくなるというのは、その人の存在が完全に忘れ去られるという事と同義だと言えるかもしれませんが、不思議なのがある日突然クラスから生徒がいなくなるという設定です。

「忘却病」というのは社会で認定・認知された病気として作中扱われていますが、忘れ去られた人間がどうなるのか、序盤では謎とされています。国の施設に集められて隔離されていのか、其れとも死んでいるのか?。ただ、忘却病の発現が確認されて以来、確実に人口は減少しているという事実。

そう、特に明確にはなっていませんが、忘れ去られた人って死んでいるんだと思います。

 

 

「死・別れ」=「忘却病」としているけれど、実は完全に記憶から消えてなくなるというのは最も残酷な事だったりする。

人々の記憶から消えてしまう忘却病。忘れてしまうからこそ、「死」がすぐそこにあることを意識できないと思いますが、実はこの世界から消えてしまう側の人にとってはそれはすごく残酷なことだと思うんですね

なぜならば、自分が生きた証が残らない。思いを寄せた人の記憶からも、家族の記憶からも自分がすべて消えてなくなってしまうというのは、消えゆく人にとっては誰も悲しまない、そもそも生きた証も残らない・・という至極残酷なことだと言えると思います。

「忘却病」という病は、本人には、もうすぐ病になるという自覚が芽生えるということになっているようですが、それが自分の身近に・・という段階になると必死にもがいて、大切な人を思い出そうとしたり、自分が消えてなくなる兆候が出てきても、何かを残すために本能的な思いに駆られてもがく姿というのははたから見て、感動してしまうものなんだなぁ・・というのが分かる感じがします。

普段何気なく暮らしていても、今そこに危機がないから当たらり前のように明日が来るという前提がありますが、不思議な奇病が存在する世界で、それが身近に降りかかるようになる時、色濃いヒューマンドラマというヤツが見えてくるんだと思います。

終わる世界の片隅で、また君に恋をする

終わる世界の片隅で、また君に恋をする (電撃文庫)
発売日:2017/5/10

あらすじ(Amazonより):

全ての人々の記憶が消えていくこの世界で僕は、君との最後の夏を過ごす。 それは、いつからだったろう。 この世界に奇妙な現象が起こり始めた。人が、その名前も、周囲の人たちとの関係も、そしてその存在すらも、全てを忘れ去られてしまう。忘れられて、誰の記憶からも消えてしまうのだ──。 ──忘却病。 いつしかその現象は、そんな名前で呼ばれるようになった。全ての人が全ての人を忘れたとき、それが世界の終わりになるのだろうか……。それに抗うかのように、僕は保健室登校の桜良先輩と、忘却病に罹った人の最後の望みを叶える『忘却病相談部』を始めることになったのだが──。

 

くろ: 最近、人の記憶や意識の中に存在するもの、人間が生きて存在するという証拠・・みたいな哲学的な心理を身近な物語エピソードとして例示しながら、実はすごいく●●なことなんだぁ!と心を動かすような作品が多い気がしますが、この作品もそんな作品の一つと言えるかもしれません。

posted by くろ 投票 3 0


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