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〔少女庭国〕(ラノベ/小説・感想・紹介)

著者:矢部 嵩 (著)
イラスト:
出版社:早川書房

このお話は何とも言えない不思議でグロテスクなお話しなのですが、前置きも、説明も前提もなく、ある中学生の卒業生の少女が気が付くと暗い部屋で寝ていて、そこに張り紙がしているという設定です。その張り紙には、死んだ卒業生の数をm、そしてドアの開けられた数をnとするときm-n=1となった時、この空間から脱出できるというもの。つまり分かり易く言うと、自分だけを除いた全ての生徒を殺しなさいということが書かれています。

 

posted by くろ 投票数 1 0


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人格を持った少女を箱庭シミュレーションしている名ともいえないグロテスクさが映画キューブのような感じがしなくもない

普通であれば、なけ叫んだり、動揺したるするはずの少女たちなのでしょうが、なぜか淡々とその張り紙の内容を受け入れて、自分だけ生き残ろうとまるでコンピュータシミュレーションプログラムのように殺戮を繰り返していく・・・そんな奇怪なお話。

少女たちの名前も仁科羊歯子のように〇〇子みたいな実験体につけられてような不思議で難解な名前がどんどん出てくる感じなのですが、中には殺戮に躊躇したり、生き物に慈愛の念を抱く少女たちも現れますが、淡々と殺されていきます。

うーん、タイトルの少女庭国にもありますが、これって遺伝子が子孫を残していくメカニズムそのもだったりするのでしょうか?

作中カニバリズム?というような描写も淡々と描かれていきますが、アミノ酸とタンパク質や炭素の集合体である有機体生物が、ある摂理(m-n=1)に従って営まれているとしたら、俯瞰して箱庭でシミュレーションされる物体としてとらえた場合、こんな風に淡々と弱肉強食の世界が繰り広げらていくというのが現実の宇宙感なのかなぁぐらいに思ってしまう怖さがある感じ。

でも、ここに出てくる少女たちは確かに自我を持ち、普通の15歳の人間なんですよねぇ。そのあたりがちょっとグロテスクで頭に残る感じの奇怪な作品だったりします。

〔少女庭国〕:

〔少女庭国〕
発売日:2014/3/15

あらすじ(Amazonより): 卒業式会場の講堂へと続く狭い通路を歩いていた中3の仁科羊歯子は、気づくと暗い部屋に寝ていた。隣に続くドアには、こんな貼り紙が。卒業生各位。下記の通り卒業試験を実施する。“ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n‐m=1とせよ。時間は無制限とする”羊歯子がドアを開けると、同じく寝ていた中3女子が目覚める。またたく間に人数は13人に。脱出条件“卒業条件”に対して彼女たちがとった行動は…。扉を開けるたび、中3女子が目覚める。扉を開けるたび、中3女子が無限に増えてゆく。果てることのない少女たちの“長く短い脱出の物語”。

 

くろ: 15歳の少女たちが淡々と殺し合いをしていくのですが、でもミクロな視点でみると、きちんと自我をもった普通の15歳の少女だったして、なんだかミスマッチな分、グロテスクさが倍増するような不思議な作品。

posted by くろ 投票 1 0


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