著者:瀬那 和章 (著)
イラスト:川井マコト
出版社:メディアワークス文庫
20代を迎えた女三姉妹の視点で描かれるちょっと大人になったでも心は乙女な恋愛模様がリアルにつづられた短編集です。タイトルになっているシャンプーは1話目の姉のエピソードですが、大学生から社会人になって恋する相手が奥さんがいる男性だったり、手の届かない先輩だったり若い頃のように気軽に「好き」と言えない社会人環境とうのが結構リアルにつづられています。なるほどぉ・・こうして働いている内に悲劇のヒロインになった自分・・・って理由付けをしながら実は積極的に恋愛しようと踏み切れず三十路をむかえてしまうんだぁー。と思わず1話目を読んでしまうというつかみになっています。一番上の姉には学生時代から行きつけの美容院があるようですがそこになぜかシャンプーだけしにいっているんでsね。不思議ですが・・。でそこに当時見習いだったシュンくんという男の子いるのですが、みならい卒業してシャンプーをさせてもらえるようになるのかどうか・・的なところが、大人の「好き」と言われるちょっとしたトキメキなんかにつながるような予感を醸し出してくれている感じでしょうか。
と、ここまでが長女のお話しの一話目「好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く」の概要。
2話目:「恋にクーリングオフがあればいいのに」
一方次女はダメ男に心惹かれてしまうタイプの女の子。三姉妹の2番目ということで、ちょっと気の強い我が道を行く系の女性の恋愛観が綴られている感じです。まぁ喧嘩別れしてなかなかうまくいかないという感じ・・。彼女もまた同じことを繰り返していきながら・・時がたっていく・・という感じでしょうか?
3話目:「嘘つきをシチューにまぜれば」
三女ということで甘えん坊という通説どおりな設定な感じ。イラストレーターをやっていてクリエイティブでちょっとエキセントリックな感じの人は違った感性の持ち主です。で辛い失恋なんかをしちゃうエピソードだったりします。
3つ+1つ系4つの短編で綴られている本作ですが、神戸に住む、それぞれ個性のある三姉妹の視点で描かれる20代の大人の恋愛模様がリアルで、ライトノベルを卒業した世代がうんうん、あるある・・と自分と重ね合わせて20代の恋愛に共感を覚えてしまうような作品だと思います。
好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く (メディアワークス文庫)
発売日:2013/1/25
あらすじ(Amazonより):七年前、年下の男の子に、好きだといわれた。それから、手も握らせないまま恋人のような関係をずっと続けている。そして、私はまた、彼とは別の人を好きになる―(好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く)。神戸の街を舞台に、一緒に暮らす三姉妹それぞれの恋の、始まりと、真ん中と、終わり。同じ時間を過ごす三人の恋を、三篇の短編で描く、切なくて優しいラブストーリー。
しろ: この作品は神戸に住む3姉妹の大人の恋の物語となっていますが、神戸というといった事のある人ですと雰囲気が分かると思いますが、東京とは違ったちょっとまったり感のありながら、それでいて綺麗で、どこか品のある感じがするのですが、そんな神戸にするむ三姉妹ってなるほどこんな感じがする・・というのシックリくる作品です。
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たまたま書店で見つけた本作。立ち読みして1話目を読んでなぜか共感してしまいました。
社会人になってから思い出すと仕事にそれなりに必死で、合コンだとかやってもなかなかいい人っていないんですよね。
というか学生時代から付き合いとかでないと社会人になってからの出会いってまずないなぁ・・・と友達と傷のなめあいをしつつなんだかんだ理由付けしてきて結婚適齢期のがしちゃった的な人って多い気がしてそんな感じで共感するところは多々ある作品だと思いました。
ただ、小説のようにシャンプーしてくれるとしたの男の子は現実世界ではなかなかいなそうでちょっと悲しい