著者:ミタヒツヒト (著)
イラスト:白身魚 (イラスト)
出版社:ハヤカワ文庫JA
幼い頃にいたであろうとても仲の良い友達。顔も名前も思い出せないけれど、一緒にいて心から楽しかったような感じがする。でも思い出そうとすると心を締め付けるような切ない気持ちになっていまう。
空想の友達というと、小さい時に、ぬいぐるみや大切に持っていたタオルケットなど、物を擬人化して、自分に都合のいいように語り掛けたりするようなことって経験ある人はあるかもしれませんが、この物語は、そんな空想の友達が見える少年の物語です。
少年が空想するイマジナリ・フレンドは同じ学校に通うノンノンという名の女の子です。
空想の友達との語らい居心地よく、いつも一緒にいると離れららなくなるような存在です。でも、大人になるにつれて、自分とって心地よい、都合の良いことばかりではだんだん済まなくなっていくんですね。
これを大人になるって事かどうは別として、「大人になる」=「知識や経験を得る」という考え方でだけでなくて、「幼少期の純粋な何かを切り捨てる」=「お別れしなければならい」というちょっと切ない寂しい何かをこの空想の友達とかぶせて考えてしまう感じです。
イマジナリ・フレンド (ハヤカワ文庫JA)
発売日:2016/7/22
あらすじ(Amazonより):イマジナリ・フレンドとは、孤独な人間だけに見える空想のともだち。悩みが解決されると消えてしまう。 他人とのコミュニケーションが絶望的に苦手な大学生の山持浩之は、イマジナリ・フレンドのノンノンと一緒に、リアルではひとりぼっちだけれど脳内では幸せな毎日を送っていた――このままで良いのかと、小さな不安を感じながら。そんな山持を見かねたノンノンは、似たような人々が集まるカンパニーへと誘うのだが……。
しろ: この物語に登場する空想の友達ノンノは主人公の男の子を社会化しようとしてくれるのだけれど、でもそれって男の子のボッチを抜け出したいという深層心理でもあり、リアル友達ができるようになると、空想の友達ともお別れが・・という切なさを予感させる展開がどうなるのか気になるところですね。
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