著者:松山 剛 (著)
イラスト:パセリ (イラスト)
出版社:電撃文庫
人類の科学文明の活動により温暖化ではなく、地球が氷河期なってしまう・・という設定のSF作品。人類はその劇的な環境変化を乗り越えるべく、「白雪姫」という冷凍睡眠施設に入り眠り続ける選択をします。そしてその「揺りかご」を管理するためにロボットを配置した人類。ロボットたちは人工知能を持ち、まるで本物の人のように感情をもっているところがポイントです。
人類が眠るシェルターを100年近く維持、メンテナンスし、まだあったこともない主人たちの事を思いながら、だんだんと機能しなくなっていくロボットたち、そして「白雪姫」という冷凍睡眠施設も老朽化し維持が困難となっていく中、ロボットたちが形成していた村の村長は、衝撃的な資料映像を目的していまいます。
それは、限られた冷凍シェルターへ入る人を選別するために争い殺し会う人類の悲惨な姿だったりするのですが・・
理想のご主人様だと思いつつ、献身的に面倒を見て来たロボット達、100年を経てどんどん仲間が機能不全して全滅の危機にあるなかで、彼らが最終的にどのような終末を迎えるのか、人の情緒と感情に訴えてくれるちょっと考えさせられる作品です。
氷の国のアマリリス (電撃文庫)
発売日:2013/4/10
あらすじ(Amazonより):氷河期が訪れ、全ては氷の下に閉ざされた世界。人類は『白雪姫』という冷凍睡眠施設で眠り続け、そして、それを守るロボットたちが小さな村を形成し、細々と地下での生活を続けていた。副村長の少女ロボット・アマリリスは崩落事故による『白雪姫』の損傷や、年々パーツが劣化する村人たちのケアに心を砕く日々を送っていた。全ては―再び“人間”と共に歩む未来のために。しかしある時、村長の発した言葉に、アマリリスと仲間たちは戦慄する。「―人類は滅亡すべきだと思う」果たしてアマリリスたちが下す決断とは―!?機械たちの『生き方』を描く感動の物語。
しろ: ロボットという無機質な物体が豊かな感情を持ち、その揺ら心が稚拙ですが、純粋に描かれているというのはやっぱりどこか心に訴える何かがありますね。多分ですが、ロボット+感情という組み合わせってまだ穢れない純朴な子供のように見えてしまうからかもしれません。
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